第58回 情報科学若手の会 参加者・発表者の受付を開始しました
情報科学若手の会とは
情報科学若手の会とは、情報科学に携わる学生、若手研究者、社会人のディスカッションと交流の会です(昨年の開催報告)。 幅広い分野から参加者を募り、互いの交流を深めることで新たな発想が生まれることを目指しています。 インフォーマルな雰囲気ですので、これから研究を始めるという方も是非ご参加下さい。
開催概要
開催日程
2025年10月11日(土)〜 13日(月・祝)(2泊3日の合宿形式)
11日は14時集合(13時30分受付開始)、13日は12時解散を予定しています。
土日のみ、あるいは日曜のみの参加なども可能です。参加申込みの際に併せてご連絡ください。
場所
軽井沢研修所(長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉大日向5607)リンク
宿泊は男女別の相部屋となります。建物内は禁煙です。
参加費(食費・宿泊費込)
- 学生: 5,000円(税込)
- 社会人: 20,000円(税込)
(1) 複数の参加区分に該当する方は、該当する区分のうち、いずれか金額の高い方を適用させていただきます。
(2) 一部の日程のみ参加される場合でも参加費の減額はありません。
申込期限
2025年9月30日(火)
交通費補助
- 学生/社会人1年目には交通費の一部補助を実施しております。
- 予算状況により、一般/ショート発表に採択された学生、学生、社会人1年目の優先順位となります。
- 他(所属組織等)から補助を受けていない方に限ります。
参加費の支払い・キャンセル
参加費は事前にお支払いいただきます。 お支払い方法は、以下の2通りです。
- クレジットカード払い
- 銀行振込
クレジットカード払いの場合
- 参加申し込みを受け付けたのち、支払い用のIDとパスワードを発行いたしますので、そちらで決済をお願いいたします。
銀行振込の場合
- 参加申し込みを受け付けたのち、情報処理学会から以下の3つを郵送いたします。
- 請求書
- 郵便振替用紙
- 送金連絡票
- お送りした郵便振替用紙を使って振り込んだ場合、手数料は無料です。
- それ以外の方法で振り込みをご希望の場合は、送金連絡票に必要事項を記入して、下記照会先にご連絡ください。
- 海外にお住まいのご参加者様には、情報処理学会からメールにて支払いについてのご連絡をいたしますので、確認をよろしくお願いいたします。
照会先: 確定し次第、掲載いたします。
期限
振込期限・参加取消期限は、2025年10月10日(金)です。 参加申込み後やむを得ず参加を取り消される場合や、お支払いが遅れる見込みがある場合は、info [at] wakate.org まで連絡をお願いします。
※ 10月10日までに取消しの連絡が無い場合は、参加費の払い戻しはできません。
※ また、参加費を振り込まないことにより、自動的に参加取消しにはなりません。
※ 10月10日までに取消しの連絡が無い場合は、参加の有無にかかわらず参加費をお支払いいただく必要があります。
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招待講演
講演者
株式会社Preferred Networks
小松 享 様
プロフィール
Preferred Networks では機械学習向け計算基盤の運用、開発に従事。
OCI Runtime Spec、Kubernetes sig-scheduling、runwasi などの OSS メンテナを務める。CNCF Project の youki の創設者でもある。
またコミュニティ活動として CNCF Ambassador、Cloud Native Community Japan(CNCJ) の Board メンバーを務める。
2023年、2024年に Google Open Source Peer Bonus を受賞。
題目
オープンソースソフトウェアへの解像度
概要
情報科学若手の会では昨年に須田氏による「なぜオープンソースソフトウェアにコントリビュートすべきなのか」という招待講演が行われました。こちらの講演ではオープンソースソフトウェア(OSS)へ貢献する意義が明確になったかと思います。今年の本公演では、メンテナ視点でOSSへの貢献や運営が実際にはどのように行われているか、その実情をお伝えします。
私はこれまで 4 年以上にわたってコンテナランタイム youki の開発をリードしてきました。この 4 年以上のメンテナ経験に基づき、OSS運営の裏側にある課題や意思決定の実際を、具体的な事例と共に解説します。また、一例ではありますが、持続的なOSS運営、つまり常に開発が続き成長をするOSSのために意識してきた観点についても紹介します。本公演を通じて、OSSへの解像度が高まり、効果的な貢献へのイメージを掴んでいただければ幸いです。
若手特別講演
講演者
Goodnotes
齋藤 優太 様
プロフィール
早稲田大学大学院 情報理工・情報通信専攻修了(2025)。学生時代よりSwiftのWebAssembly対応に取り組む。
Ruby の WebAssembly 対応にも携わり、2022年に Ruby Prizeを受賞。
現在はGoodnotesにてサービスおよびコンパイラ・ツールチェイン開発に従事。
題目
言語をWebAssemblyへ移植する
概要
SwiftやRubyなど、既存の言語をWebAssemblyという新しい環境で動かす取り組みに、ここ数年関わってきました。処理系を移植するというのは、思ったより地味で、でも確実に面白くて、課題だらけです。 この講演では、言語をWebAssemblyに対応させるとはどういうことか、そして成長中のプラットフォームと付き合っていくとはどういうことかについて、お話しします。
ショート・一般発表
一般発表: バイナリエンコーダー/デコーダージェネレーターbrgen-設計,実装,課題- (藤岡航介 様)
私が開発しているバイナリエンコーダー/デコーダージェネレーターbrgenというものの設計、実装、そして現状の課題について話します。
https://github.com/on-keyday/brgen
- バイナリエンコーダー/デコーダージェネレーターbrgenの概要
- 開発動機
- 使い方デモ
- 3つのゴール
- アーキテクチャ概要
- src2json(レキサー/パーサー/型解析部分)について
- json2xxx(第一世代コードジェネレーター)について
- LSP/WebPlaygroundについて
- 失敗のはなし - うまくいかなかったツールたち
- rebrgen - IRとコードジェネレーター(第二世代)ジェネレーターを作る話
- 今後の展望と課題/まとめ
一般発表: Nix と NixOS を使って趣味 Kubernetes クラスタを運用する (伴野 良太郎 様)
私は Nix と NixOS を利用して趣味で Kubernetes クラスタを運用しています。 この発表では、そんなサーバの運用中に見つけた、安定稼働のための仕組みや方法を紹介します。 特に、Nix や NixOS が得意とする宣言的なアプローチによるシステム管理を有効に活用しつつ、比較的非力なマシンでどのように安定した運用を可能にするかを紹介します。
一般発表: Rustでのゼロからの通信ミドルウェア自作入門 (富重 亮佑 様)
私が行なっている通信ミドルウェアDDS (Data Distribution Service)のRust実装について紹介します。 DDSはロボティクスの分野で使用されるPub/Sub通信を提供するミドルウェアROS2で通信基盤として採用されています。 ROS2は自動運転システムの実装にも用いられており、DDS実装には高い信頼性が要求されます。 容易に安全性の高いソフトウェアを実装できるRustでDDSを実装することが、高い信頼性を確保するための近道となるはずです。 しかし、既存のRust製DDS実装にはいくつかの問題がありました。 そこで、ゼロからRustでDDSを実装することとなりました。 本発表では、ゼロからどのように開発を進めたのか、Rustで書くことのメリット、デバッグやテストの工夫などを紹介します。
ショート発表: 理論と実務のギャップを超える 〜機械学習・生成AI導入の実践知〜 (武藤克大 様)
機械学習や生成AIを導入する上で直面する、理論と実務のギャップについて、共著書『先輩データサイエンティストからの指南書』(技術評論社)の執筆過程で整理した知見をもとにお話しします。
ショート発表: スマートフォンの標準センサを用いた周辺空間認証システムの開発 (河内誠悟 様)
多要素認証が普及する現代でも,デバイスの紛失やなりすましは依然として大きな課題である.私は「その場にいること」自体を認証要素とする,新たな空間認証方式の研究に取り組んでいる.既存研究には,LiDARで空間を認証する手法や,カメラを用いて特定の物体を鍵として認証する手法があるが,前者は専用デバイスを要し,後者は利用場面が限られる課題があった.そこで私は,多くのスマートフォンが標準で備えるカメラと深度情報のみを使い,オフィスや自室といった空間そのものを鍵とするシステムを開発している.本発表では,ユーザーが自室やオフィスでスマートフォンをかざすだけで認証が完了し,攻撃者による物理的な再現を困難にする安全性と利便性の両立を実現する研究について紹介する.
ショート発表: Undefined BehaviorとUnsafe Rustについて (尾田莉瑠 様)
最近話題のRustプログラミング言語は、強力な型システムと実行時検査により、「unsafeを使わない限りUB(Undefined Behavior)が発生しない」ことを保証します。 ところで、そもそもUBとは何でしょうか? なぜUBは存在するのでしょうか? UBがあると、どんな問題が起こるのでしょうか? そして、unsafe Rustの何が“unsafe”なのでしょうか?
本発表では、これらの問いについて、様々な具体例や研究事例(RustBelt、Stacked Borrowsなど)を交えて説明します。
スポンサー発表: セキュリティエンジニアの仕事・業界をつなぐ「セキュリティ若手の会」 (セキュリティ若手の会 江頭 輝 様 佐田 淳史 様 pizzacat83様)
昨年10月に発足した「セキュリティ若手の会」は、将来セキュリティエンジニアを目指す学生や、セキュリティ業務に携わる若手エンジニアのためのコミュニティで、セキュリティに関する技術や業務内容、進路やキャリアについて、直接話し合える機会を提供しています。それらの活動趣旨や実績内容について10-15分お話しします。
また、現役のセキュリティ・エンジニアである幹事3名がそれぞれの持ち回りの仕事について15-20分お話をさせていただきます。内容はそれぞれ以下です。
- sada / asu_para: IT企業のCSIRTやコーポレートセキュリティに関する領域の概観と最近話題になったテーマに対するインシデントレスポンスについて
- egashira / hikae: IT企業のPSIRT RedTeamでの活動や専門であるAI Securityの取り組みについて
- pizzacat83: セキュリティベンダーでのSWE(元セキュリティ・エンジニア)として0day脆弱性を見つけるAI Agentをどのように作っているのか・開発の取り組みについて
以上の2部構成となります。
スポンサー発表: あなたの知らないLinuxカーネル脆弱性の世界 (株式会社リクルート 山田 快 様)
脆弱性情報を迅速に検知し、膨大な報告の中から「本当に対策が必要なもの」を見極めるため、我々のチームでは脆弱性の分析を行っています。膨大な報告の中には、Linuxカーネルの脆弱性も数多く含まれています。これらの脆弱性の中には、一般ユーザーがシステムの管理者権限を奪取する「権限昇格」や、外部からのリクエストでシステムが停止する「DoS(サービス妨害攻撃)」といったものが含まれます。本発表では、過去に世界を騒がせた代表的なLinuxカーネルの脆弱性を深掘りし、それぞれどのようなメカニズムで脆弱性が発生するのか、再現手法やデモを交えながらコードレベルで紐解きます。
スポンサー発表: ストレージエンジニアの仕事と、近年の計算機について (株式会社Preferred Networks 丸山 泰史 様)
ストレージエンジニアとしての新卒の仕事内容と、それに絡めてここ数年のストレージハードウェア、サーバー、ネットワークの動向や新技術紹介を行います。
スポンサー発表: youkiとlibkrunで実現するVM型コンテナ (株式会社スリーシェイク 桜井 佑介 様)
本発表では、低レベルコンテナランタイム youki に VMM 機能を提供する動的ライブラリ libkrun を統合し、既存ワークフローを崩さずに KVM ベースの VM 型コンテナを実現する設計と実装を紹介します。
スポンサー発表: Agnocast: ROS 2において動的サイズメッセージのTrue Zero Copy通信を可能に (株式会社ティアフォー 今井 航一 様)
ロボットアプリケーションではいたるところにプロセス間通信が存在してこれをゼロコピーにしたいというモチベーションがあります。 しかし、ソケット通信を利用して動的なメッセージサイズの送受信を実現するライブラリの上ですでに大規模なアプリケーションが実装されているとこれらすべてを共有メモリに置き換えるのは困難です。 この発表では私の所属するSystem Softwareチームが、アプリケーションロジックにいかに踏み入れずにミドルウェアからの解決を行ったかを、ソフトウェアの設計・実装を紹介することで発表します。
スポンサー発表: Yocto Linuxを用いた組込みLinux開発のご紹介 (トヨタ自動車株式会社 金津 穂 様)
"組込み機器が高機能化したことによって、組込み開発であってもリアルタイムOSとアセンブラではなくLinuxを用いたリッチなアプリケーション開発が一般化しつつあります。 本発表ではLinuxのうち、特にYocto LinuxというメタLinuxディストリビューションのご紹介と、これを用いてRaspberry Piの起動用イメージが簡単に作成できる様子をお見せします"
スポンサー発表: CLOSネットワークの経路交換が収束することを証明してみよう (LINEヤフー株式会社 鈴木大地 様)
弊社LINEヤフーを始めデータセンターネットワークではCLOSネットワークと呼ばれる構成がよく用いられています。 このCLOSではBGPプロトコルを用いてネットワークの経路を交換するのですが、BGPプロトコルの収束判定について一般のネットワーク構成上ではNP-Completeであることが知られており、実際に収束しないネットワークを構成することも可能です。 この発表ではlean4という定理支援証明系を用いてCLOSネットワーク上では経路交換が収束する証明をご紹介する予定…でしたが挫折したのでモデル検査に切り替えた話をします
発表形式
一般発表、ショート発表
発表者の皆様の研究やご興味をお持ちの話題についてご発表いただくものです。ある分野や技術に関するチュートリアルのような発表も歓迎します。
- 一般発表: 発表30分 + 質疑応答10分
- ショート発表: 発表15分 + 質疑応答10分
参加者の皆様に何らかの体験をしていただくハンズオンを含む発表も歓迎します。発表時間など調整しますので、発表申し込みの際にその旨をご連絡ください。
ライトニングトーク
発表者の皆様に自由に短い時間(5分間)発表していただくものです。
参加・発表申込
2025/09/30 締め切りました行動規範
すべての参加者は情報科学若手の会が定める 行動規範 を一読した上で、スムーズな進行にご協力ください。
個人情報の取扱について
本イベントでは、情報科学若手の会が定める プライバシーポリシー に従って、申し込みの際に頂いた情報を利用させていただきます。
主催
一般社団法人 情報処理学会 プログラミングシンポジウム委員会
連絡先
- 参加費の振込や参加申込の取消に関するお問い合わせ: wakate58 [at] ipsj.or.jp
- お問い合わせなど : info [at] wakate.org
スポンサー
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株式会社Preferred Networks 様 | 株式会社ティアフォー 様 | 株式会社リクルート 様 |
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セキュリティ若手の会 (NatBee合同会社) 様 |
LINEヤフー株式会社 様 | トヨタ自動車株式会社 様 | 株式会社スリーシェイク 様 |
情報科学若手の会幹事
- 松本 直樹 (京都大学大学院)
- 浅田 睦葉 (筑波大学)
- 石 立行 (グーグル合同会社)
- 井上 紘太朗
- 久下 柾
- 黄 英智 (株式会社ディー・エヌ・エー)
- 多根 直輝 (LINEヤフー株式会社)
- 菱田 快成 (慶應義塾大学)
- 三木 健太郎 (神戸大学大学院)